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沖縄 レンタカーのこんな場合

二一世紀初頭の「串間」への危機意識は、そんなに単純で、生やさしいものではない。 なにがいま、世界で問題になっているか、つぎに述べよ。
いま各国でうずまいている国際再編の真意を読み取るためには、ふたつの視点に注目しなければならない。 一は、二一世紀初頭の自動車産業が抱四つの危機意識であり、二は自動車という商品がそのときに存在しうるための技術条件である。
まず、他界的生産過剰時代の問題を考えよう。 いま世界の自動車企業は、すべてといっていいほど開発途上国をめざしている。
そこに工場をつくり、自社のブランドを売り込み、国外に輸出し、その地をクリーンな自動車天国に仕立てようと考えている。 なぜか。
日・米・欧の、いわゆる自動車先進国は、すでに市場が成熟段階にはいってしまい、あと伸びが期待できるのは、開発途上国しかないとみられているからだ。 この方針をもっともダイナミックに打ち出したのが、アメリカであった。
といっても、この戦略転換をはかったのは、かつてのビッグスリー(GM、フード、C社)自身ではなかった。 アメリカ大統領タリンであった。

このいきさつは、そのあとの世界の自動車戦略にもいちじるしい影響を与えるので、正確にお伝えしておこう。 一九九二年、彼は大統領選挙出馬にあたって、ふたつの公約を掲げた。
国内雇用の増大と国際収支(とくに貿易収支)の改善であった。 それが国民から支持されて、彼はまず輸出産業を育成することを最大の眼目とした。
輸出産業の候補には、四つの産業があった。 防衛産業、宇宙開発産業、エレクトロニクス産業、自動車産業であった。
このうち、防衛産業は冷戦構造が瓦解したいまその任にあらず、宇宙開発産業は国内雇用の増大には不向き、エレクロニクス産業、とくに民生用は単品の数は膨大だが単価か低 、しかも装置産業である点、国内雇用の増大にはつながらないという点から失格した。 結局、国内雇用を大幅に増やし、かつ国際収支改善にも貢献しうる産業としては、自動車産業をおいてほかにはない、ということになった。
こうして、タリンン大統領によるアメリカ自動車産業の保護政策は、他国にはうらやましいばかりに推進された。 アメリカ車の品質向上キャンペーン、アメリカ自動車工業会からの外国メーカー追放、など、その積極さがめだった。
問題は、「国際収支改善にも貢献しうる産業」としての自動車産業をどう育成するかということである。 つまり、アメリカ自動車産業の輸出戦略化である。
日・米・欧はすでに成熟段階にはいってしまった。 残る市場は、東欧、中国、アジア、南米、南アフリカなど途上国しかない。
GM、フードが、中国、アジア、南米に意欲を燃やしているのは、そのためである。 アメリカがそうなら、ヨーロッパも手をこまぬいてもいられない。
ダイムラー、VW、BMW、ルノー、フィアットプジョーシロエン(CL.CXJ)などは、東欧、中国、メキシコ、ブラジル、ロシアにまでも、最新鋭工場をつくりはじめた。 とくに、日本の自動車企業は九〇年代に入って不況が長引き、業績はどん底をついている。

いまが絶好のチャンスである。 このように、世界が途上国をいっせいに攻めはじめた魂胆はもしかりに先進国の経済がおかしくなったら、そのうちには途上国がよくなるだろうし、途上国がおかしくなったら、そのころには先進国が回復するという読みがある。
「大阪がだめなら名古屋があるさ」の地球版である。 これは、自社の業績をいつの性でも安定的にもうけさせるという経営の本能のなせる業である。
これを、ヨコ型フルライン・ポシー効果という。 一方、タテ型フルライン・ポリシー効果とは、さきのダイムラーC社の例に典型的に優れているように、「ミニカーから高級車まで、すべてとりそろえてあります」という車種戦略である。
この政策は、戦前、GMのお家芸だった。 当時のGMのキャッチフレーズは、「どんな目的にも、どんな予算にも」合うブランドが用意できるとした。
このため、黒塗り一色、ワンモデルのT型フードで勝負していたフードは、一九二七年、GMに逆転される憂き目にあった。 それ以降、フードもタテ型フルライン・ポリシーに戦術転換した。
日本の自動車企業も、体質的にはアメリカ型である。 それどころか、ある意味では、アメリカよりもへその度合いを強めている会社もある。

歴史はくり返す。 八〇年代まで業界に棲み分けができていたヨーロッパ自動車企業も、アメリカのクンン戦略に刺激されるように、すべての企業が途上国へ、タテ型フルライン・ポリシーへとなびいていった。
さきのダイムラーも成長意識にめざめなかったら、それぞれ自社の得意の製品を掲げていたにちがいない。 これまで意に介さなかったSUVにMクラス、ミニバンにAクラス、ついにはミニカーとしてスマートに乗り出すこともなかっただろう。
社名からして国民車(フルクスワーゲン)だったVWも、性界の超高級車メーカーのロールス・ロイスをBMWと取り合うこともしなかった。 さらに、いまもって独特な人気のあるブガッティ、ランボルギーニまで買収することもなかった。
ところが、やがて迫る危機感はヨーロッパ企業をして、ついにタテ型フルライン・ポリシーに経営戦略の舵を大きく切らせはじめた。 じっは、このタテ、ヨコ両型のフルライン・ポリシーを、もっとも豊かにそろえているのが、日本自動車企業なのである。
タテ型ではアメリカに軽自動車のようなミニカーがなく、ヨコ型ではヨーロッパ企業にアジア北城を得意とするところがいないのだ。 これこそ、世界の自動車企業が日本企業を虎視たんたんとねらう背景なのである。
さて、このふたつのフルライン・ポリシーが同時進行すると世界にはどんな事態が発生するのか。 先進国は、自国の生産の改善もそこそこに、途上国に向けてつぎつぎに組立て工場を建設しはじめた。
不況のあらしにあった韓国、マレーシアのような途上開発国でさえ、ほかの途上国に向けて自動車の組立て工場をつくりはじめた。 思いは、先進国企業と同じである。
ここに、二一世紀初頭の世界自動車産業の繁栄を、根幹からくつがえすような大問題が起こる。 考えてもみるがいい。

生産設備は、二年から三年あれば、稼働にこぎつける。 とくに、さいきんは建設期間は短ければ短いほどよしとする傾向が強くなっている。
採算上の理由からである。 ところが、途上国の消費者の所得が、それに追いつかない。国内総生産は伸びても、それが国民の所得、まして国民の消費購買力には、ゆとりが出てこないからである。
これは、先進国といえども楽観できない。 急成長をつづけてきた国が、いつ政治が腐敗し、経済が悪化し、消費が冷え込むかしれない。
さいきんでは、日本がその好例であった。 その結果、なにが起こるか。
明らかなことは、二一世紀初頭のある期間、世界は完全な生産設備過剰時代に突入するということである。 試算によれば、二〇〇五年における世界各社の生産は、約七八〇〇万台と予定される。
一方、肝心の性界の需要は、おそらく六八〇〇万台と推定される。 つまり、その時点で年間一〇〇〇万台が過剰になるのだ。
この事態に突入したとき、世界の自動車企業は、どのような生き残り戦略を立てるのか。 生産ノウハウは、いつの日にか大同小異になる。
プラッフーム(車の基本となる車台)の共有化がすすむため、おそらく乗り心地(品質・性能)に決定的なちがいは少なくなるだろう。

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